密かな楽しみと秘密、そして断末魔

お坊さんと電話していたら、彼の背後で突如すさまじい音が。

なんやの？　犬でも殺してるの？

「そーそー、俺、実は毎日犬を一匹殺すのが何より楽しみでさ」

はっは。

「しかもつぶらな目をした子犬を。夜な夜な一匹」

はっは。

「どうだ、悪いだろー？」

うん、それは悪いわ。ていうか、家に相手連れ込んで二人のベッドで浮気するのはまー許せても、それがほんとでそれを知ったら、もー許せないわ。

「そーだよなー。俺も同じ」

だよねー。私は別に動物好きでは全く無いのだが(キライという訳でも無く、興味が無い。人間のが好き)、しかし「今まであたしが見ていたこの人ってなんだったの!?」ていう衝撃だもんねそれって。

浮気はねー、そこまで世界の根本が揺るがないっていうか、愛してる本人自体が変わる訳じゃないっていうか、生きてたらそういう事もあるだろーと思うというか、まー愛してたら許しようがあるもんね(私の場合。人によるでしょうねーこういうのって)。まー家に連れ込むのってマナーがどうかとは思うが(マナーって、自分と他人が心地よく過ごす手段ですよね)。


結局、その音源の正体は、犬の断末魔ではなく、たてつけの悪い雨戸を開けている音でした。

しかし思い出す度に笑える。夜な夜な子犬を絞め殺すのが楽しみって。あなた。