さかなのさなか

以前、とてもお世話になった編集さんに、「だからあなたの小説って、根本はみんな『自分の居場所が欲しい』って言ってるものだよね」とずばり言われた事があって、それがすぐに解るって、そして一言で私の小説の本質を表現できるって、もの凄いなーとひどく感動した事があったのだけれど。

そういう、色んな小説の底辺にあるテーマってきっと季節毎に変わるんだろうな。
その季節が半年続くこともあれば、何年も何十年も変わらない事もあるんだけど。
(例えば『自分の居場所が欲しい』って書いてた季節は何年もあったと思う)

そう言い当てられた時からもう10年ぐらい経って、勿論今の私のテーマは違うけれど。
この季節が過ぎた後は、このテーマも懐かしくなるのかな。

書いてる間は、そのテーマって生々し過ぎて、苦しい。

今回の季節はどれぐらい続いて、いつ終わるんだろう。

早く終わって欲しいとも思うけど、終わったら寂しいんだろうとも思うし、一生終わんないような気もする。