世界の全てが敵に見える

たーちゃんの車椅子押しながら吸引機の鞄さげて、の上に自分の鞄持つのはすごい大変だから、いや、あなたが一緒の時はあなたが手伝ってくれるから良いんだけど、私１人の時が大変だから、リュックが欲しいなー。
でも買いにいく時間が無いやー。

と確かにお坊さんに言ってはいたのですが。

その日、仕事が休みで実家に帰っていたお坊さんが、1人で私のリュックを買いに出かけてくれたとゆー事を私は、お坊さんから「こんなのどー？」という店先からリュックを撮った写メを送られてきて初めて知りました。

私「もーいーのにー。別にリュックなんかどっちでもいーんだから買わなくていいから、早く帰りなよーそっちのが嬉しいよー」

お坊さん「うーん、でもまーせっかく出かけてきたんだから、もう少し見て、羊に似合いそうなしゅっとしたリュックが無かったら帰るわー」

とゆー会話をしたのが午前11時。

その後、お坊さんどうしたかなーと思いつつ、訪問看護師の方が見えたり、往診のお医者さんが見えたりたーちゃんの昼食や胃ろうのケアがあったりで、バタバタしていてお坊さんと連絡が取れず。

次にお坊さんから連絡があったのが午後三時。

なんと、まだお店周りをしているそうな。

「何やってんのあんた！早く帰りなよ！」と怒る私に、

「うん、さすがに買物好きな俺もいっぱい見すぎてなにがなんやら。五里霧中。もー絶対サマンサのおねーさん、俺の事鬱陶しいと思ってるし。てゆーか、疲れすぎて道を歩いてる人が全て敵に見える、というか全世界が俺の敵に見える」

いや、だから早く帰れよ。寺のなかなら敵もいないよ。あんまり。

その気持ちは嬉しいんですが。

リュックが無くてもなんとかなるし、せっかくのお休み、早く帰って休んで欲しいです。別に車椅子押しながら吸引機とヴィトンの鞄持ってても、多少筋肉がたくましくなるぐらいなもんですよ。(←いや、もしかしてそれがイヤなのか？)

そして結局、午前10時から午後5時まで色んなお店を回り歩いて、迷いに迷って、何も買わずに帰ってきたらしい。

……。