ふわふわ部屋着

やって来たお坊さんが、私のいるリビングでは無くまず寝室に向かいがさごそやっていたので、おかしいとは思ったのだった。…怪しい。

「お帰りー。つーか何やってるの？」案の定、寝室に向かってみるとそこには見慣れぬ、リボンをかけられた紙袋が。開けてみるとそこには新しい、女性物の部屋着が。

なんで買ってくるのよ!　私、要らないのに!

「だってぼろぼろの部屋着着てて可哀想なんやもん!　それ可愛かったんやもん!」

ぼろぼろかなあ。まあ確かにどの部屋着も何年か着てて、先日も真夜中にマンションのゴミ捨て場にゴミ出しに行った時、「この時間なら誰かに会う事も無かろう」とタカをくくって部屋着で出たらそんな時に限って何人もの人に会い、しかも皆さんお勤め帰りのぱりっとした格好をされていたので恥ずかしかった覚えはある。

お坊さんが買ってきた部屋着は黒のふわふわ素材で、バッドウーマンをモチーフにした可愛いものでした。パーカーのフード部分には三角形の猫のような耳がついている。可愛い…。そしてあったかい。

ふわっふわー嬉しい～。新しい服というのは良い匂いだなあ。

「でしょー？　だからいいんだよ」

しかしその部屋着を、お坊さんが買ってきたお店。そこって女性下着がメインで少し部屋着も取り扱っているとゆーとこなのだが、そういうとこ一人で買い物するの平気なんだよねあなた。

「いやむしろ女性もの選んでるの楽しい」

彼は女性ものが好きなのに、自分は着られないから私に着させて眺めて満足するのかなあとまた思った事でした。ピンヒールとかワンピースとかもそうだけど。

それとも家にいる私があまりにみすぼらしかったからでしょーか。
それとも、私が落ち気味だからかしら。

優しいよね。ありがとうー。

これならゴミ捨て行けるわ。というかコンビ二ぐらい大丈夫だ。