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「あ、羊さんも介護される以前は看護師のお仕事されてたんですよね」
わっつ?
看護師と看護師の先生をしていたのはたーちゃんで、私はそんな事は全然してないです。てゆーか、そんなしゅっとした人生をもし私が歩んでいたならば、今までのたーちゃんのストレスも少しは緩和された事でありましょう。
(むしろ彼女は今の病気になってないかもしれへん)
(てゆー、罪悪が私にはあるからたーちゃんの介護やってるのもその罪悪が理由の一つ←それだけじゃないけど)
(だから献身とか偉いって言葉は私には当てはまらないんすよ)
(とそれは置いておいて)
恐らく、たーちゃんが看護師やってた、という情報がどこかから出回りそれが変遷してそんな話となってその人に受け取られたのでしょうが、それを聞いてふーんへーと思いました。こういうもんかー噂ってって。
連想ゲームっていうか、真実が変遷して拡張して収縮して時には反転したりして、他人に回っていくというのがさ。面白いなーと思いましたです。
だから噂ってのはそんな風に真実の時もあり嘘の時もありますが、でもまあ、誰でも自分の信じたい事信じるもんなんでしょね。結局ね。真実か否かなんて、実は大した意味は無いのかも。
親は、子供に育てられて、はじめて本当の親になる、とはよく言うものですが、それって介護者もおんなじだよな、とふと思うわし。
日々勉強。
だから親と子だったり、介護されたり介護したりする方って常に対等なんだと思う。まあそのケースによって、立場の強い弱いはあるが。
世界のいたるところに音ってのは溢れかえってるものですが、ところで私が条件反射的に反応してしまう音はあれです。
以前、コトちゃんが使ってたブザー音と、今、たーちゃんが使ってるブザー音。
(2人とも身動きが自由に出来ないので、何か用事があるとそれを押して、知らせてくれるのですな)
全然関係無い時でも、そして明らかにブザーが鳴ってない時でも、それに類似した音程や質感の音を聞くと、思わず反応してしまう。
つか、類似した音どころか、何にも鳴ってないのにその音が聞こえてくる時まである始末。ざ・幻聴。
で、そんなわしをお坊さんは「それってアレだべ。軽いノイローゼじゃね?」とゆーのですが、まー確かにそうなのかもなーとも思うのですが、でもノイローゼって割りにはそこに負の感じはあんましなくて、むしろその音が聞こえくると「はっ行かねばっ」と使命感が湧き上がるとゆーか。
なのでこれはひとつの、パブロフの犬的なもんなのかと思います。
むしろ愛おしいげなその音たち。
ところでそんな条件反射と言えば、街でお坊さんの乗ってる車見かけると「はっ」と反応してしまうってのもあります。絶対にお坊さんがここにいない状況でも。
愛に繋がれたパブロフの犬ってゆーか、むしろ私の思考回路が単純なだけですね。はっは。
と、たーちゃんを誘ってみるのですが、なかなか気が進まないようすの彼女。
まあ、それもそうなのかもしれません。
遠出となると、勿論体の不安もあるし、他にも、外にいると不便な思いしたり、ジロジロ見てきたりする人も(おっさんに多い。若い女でもそーゆー人もいるが)いたりして、なんやかんやとあれなので。
そういった事を考えてしまうと、家でいるほうがいいやーと思えてしまうのかもしれません。
それは少し寂しい事ではあるけれど、仕方無い。
そして、て事はあれですね。
気分転換には家を楽しいとこにすれば良いのですね、外に遊びにいくより、世界のどこより。
て事は私がちゃんとしなければですね。うん。
とりあえずもうすぐ、うちのマンションから見える花火がやるのでそれを3人で見るのが楽しみざんす。
たーちゃんは、食事もイヤお風呂もイヤ栄養注入もイヤマッサージもイヤ、と全ての私の介護を断り、の上にパジャマのまま家から出てこうとするし窓から飛び降りようとするし(!←うち14階だから結果は火を見るより明らか←必死で阻止したけどもさ)、もーそこまでイヤなら仕方無いわさ。
と私は弟に電話。事を報告。
慌ててやってくる我が弟。
今まで一回も介護とかした事無い弟に、ざーっと介護のやりかたを教えて(吸引とか胃ろうとか呼吸補助器とかその他色々)何日か分の自分の荷物をまとめて、お坊さんを呼び出し、家を出て行く私。
ざ、家出。
ひっどー動けないたーちゃん置き去りにしてーて感じですが、ま、実際ひどいんですが、その時の私にはその家出が必要でした。多分それはたーちゃんにとっても。
やっぱりね、ずっと2人でいるって煮詰まってくるもんです。たとえそこが穏やかな楽園でも穏やかな牢獄でもさ。
そして私は、全然偉い訳でも強い訳でも人間が出来てる訳でも無いしさ。
そういう訳で荷物を抱えた私は、お坊さんととりあえず近くのファミレスに移動。昼間からビールなど飲みつつちょっくらご飯も食べつつ(朝からスイカしか食べてなかったワシ)これからどうしよーかーとのんびりお喋り。
最近時間を気にしないでお喋りなんかした事無かったから、めっちゃ楽しかったです。
今からどうするーどっか遠出しちゃう~?温泉とか。海とか。それとも買物とかカラオケとか映画とか行こうか。もしくはマン喫でオールとかしちゃう?家出女に相応しく。とか、ぐたぐたこれからの行き先を考える。
その開放感と罪悪感の混じった快楽。
不思議な感じでした。
で、結局、万が一たーちゃんに何かあったら困るから遠出は止めておこうという話になり、近くで買物したりご飯食べに行ったりしてるうちに弟から連絡があって、翌日、用事がある弟はこれ以上介護が出来ないと言うので、私の家出はたった半日で終わり、私は帰宅する事になったのですが。
そして帰宅してから、今日まで普通に今まで通りにして暮らしているのですが。
でも出て来た時は「もー何日かは帰らない。つーかもしかしたら、それをたーちゃんが望むなら永遠に帰らないかもー」とまで思ってたのでした。
あの罪悪感と開放感。それらが混ざり合って出来た快楽。
なかなか味わったことが無いものでしたさ。
一つ勉強になりました。
あ、そして帰宅してからはちゃんとたーちゃんと仲直りしましたよん。今も仲良しですよん。
愛してると憎んでるって、思いのほか近いもんだと思います。私はそれをお坊さんとたーちゃんから教わったわさ。