イメージ

最近、たーちゃんの呼吸機能が大分低下していて、ただ寝ていたり座ったりしているだけでも彼女が息苦しさを訴える時があり。

そんな時は呼吸が少しでも楽になるようにと、私も一緒に深呼吸をしてみたりするのですが(と言うか、それ以外他に出来る事は無い)、深呼吸をする時には「深くゆっくり、お腹と胸を膨らませるイメージでね」という事をいつも言います。

ただ深呼吸だけをしようとするのと、「胸とお腹を膨らます」という具体的なイメージを持つのでは、結果もだいぶ変わってくるのですよ。不思議と。

人間のイメージって、想像力って、すげえなと思います。

私は昔、合唱と吹奏楽をやっていたのですが、その時も具体的なイメージを持つか持たないで漠然とやるかで、大分変わりましたもんね。
「お腹を膨らませる」(←腹式呼吸のためにね)とか、高い音は頭のてっぺんから抜けてくイメージでとか。色々。

あと、曲を表現するのも、イメージを持つか持たないかでだいぶ変わるのですよね。たとえばこの曲は「青い」イメージとか、雨のイメージとかさ。

小説書くのでも、それって重要だよなとか思います。テーマとは別に、その小説の持つ雰囲気を具体的にイメージするというのが。

それが所謂その小説の持つ「空気」というものになるのかも。

なお

僕の手を振り払った君の肩は重くて。

君の肩はもうそんなに痩せてるのにね。


多分、痩せてるからなお。

筋力トレーニングなのよ

たーちゃんのマッサージは私の日課な訳で。

で、その日課を私は、たーちゃんは筋肉が衰えているせいで節々がとても痛むのだろうし、私のマッサージでそれが少しでも和らぐなら嬉しい事だし、それとは別に他人に優しく体を触れられるってのはメンタル的にも落ちつくものだもんね。

と思ってはいるんですが、だがしかし。

時間に追われつつ色んな事を片付けている時に「首！」とか彼女に呼びつけられると(首をマッサージしろ、て意味です)、思わずイラッとしてしまう事もあって。(ええ、大人げないんですぜ。解かってますぜ！)

一日二時間以上マッサージに明け暮れていると、私マッサージ師ー？ていうかむしろメイドか！と内心突っ込んでしまう事もあって。(メイドさんみたいに立派な事はやれてる訳でも無いんだが。)

しかし私がいらっとした所で何も問題は解決しないし、ていうか悪化するだけだし、やる事は変わんないんだし、たーちゃんにイヤな思いさせたらケンカになるだけだし。
他人が変わるより自分変えるほうが楽だし。

という訳で思わずイラっとしてしまいそうな時、私はこう考える事にしました。

「これは私の筋力トレーニングなのよ！だから仕方無い(？)のよ！」と。

ジム行ったらお金かかるのタダでやれてんだし、それでたーちゃんが少しでも楽になるなら一石二鳥だし、夏なんだから二の腕鍛えたほうがかっけえし。とかとか。

いや、ほんとマッサージて筋肉つくんすよ。今、人生のなかで一番筋肉がついている私。

私、召使ー？とか考えてるより、筋力トレーニングー♪とか思ってるほうが全然楽しいす。
考え方と捕え方が違うだけで、同じ現実でも結構変わりますよね。その楽しさとその幸福さが。

コントロールコントロール。

雑食テレビ

前にも書いたのですが、たーちゃんがとてもテレビが好きな人なので、私も彼女と繰らすになってからテレビを見る機会が増えました。
(ほら、介護してる時自然とテレビが目に入ってくんのさ)

彼女が好きなテレビ番組はたくさんあるのですが、例えば、がっちりマンデー・コナン・ロンハー・相棒・はぐれ刑事純情派・笑点・知っとこ！･ヘキサゴン・笑っていいとも…などなど。多種多様。雑食。(でもうすらぼんやり共通点があるような気も…)

恐らくたーちゃんと暮らす事が無ければ絶対に見なかったであろうそれらテレビ番組。
見てみると結構楽しいです。今までほんとテレビって見なかったので、なんか物知りになった気分。(気分だけだが)

苦手と言いつつ、実際にやってみたら結構楽しかったって事はままありがちですね。

だからなんだってとりあえずはやってみると良いのかも。多分。

あ、でもロンハーだけは今までも見てたな。てゆーのも、お坊さんが好きだから。

そしてたーちゃんはグルメ番組も好きでよく見てるのですが、それを彼女と一緒に見てるのは自分的には辛いです。てゆーのもたーちゃんはもうそういったものは永遠に食べられないから。
でもたーちゃんは平気な顔で見てるので、これは私が気にしているだけというか、結局私の問題なのですが。

たーちゃんがまだご飯食べられるときにもっと美味しいもの食べさせてあげれば良かったなーとかついつい考えてしまうのですよ。親孝行したいときに親はなしってだからあれは真実ね。今まで何千何万という人達が、今の自分のような気持ちを味わったことがあるのだなー。

けつあつとからだといのちと、そしてかのじょのえがお

元々たーちゃんは高血圧で、薬で血圧をコントロールしていたのですが、最近それでも高いことがままあって。

そして、私も最近、元々低血圧なのに、また下がってるみたいでそれで貧血起こすことが何度かあって。

なので「なかなかうまくいかんよねー。2人の血圧足して分け与えられたら、ちょうどいいのにねー」と冗談を言う私に、ほろりと笑う彼女。

ALSになって、その症状が進行してきてから、たーちゃんの笑顔が子供みたいに見えるというのは以前も書いたと思うのですが、最近特にそう思います。稀有で可愛い。

その笑顔って尊いなあと思いますが、しかし、尊いと言えば分け与えられないから尊いんでしょね、血圧っていうか体も命も。