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小説や徒然やALSや。
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コトちゃんの主治医の先生から、「コトちゃんは、首から栄養を流し込むカテーテルを入れないともう長くは体がもたないかもしれません」というお話をされました。

首からカテーテルを入れるかどうかは、本人と家族の意思だという事なんだそうなのですが。

しかしこれについておじは「俺が入院している間にもしコトちゃんが死んで死に目に会えなかったらそれは心残りなので、絶対に入れてくれ」という意見で、けれどたーちゃんは「コトちゃん本人も、いつも『もう早くお迎えが来て欲しい』と言っていたし、一種の延命なんだからしないでくれ」という意見で。
コトちゃん本人は「楽になるならやりたいけど、でも首からカテーテルなんて怖い~」という意見で。

三つの意見に挟まれ、実際に主治医の先生のお話を聞いて、承諾書にサインをするか否かの決断に迫られていた私は、ちょっと困ってしまいました。とほー。

ムツカシイですよね、これも。
どこからを治療としてどこからを延命とするか。

だってたーちゃんの胃ろうも呼吸補助機械も、延命と言えば延命な訳だし。
(今ほど医学が発達していなくて自然のままならば、そういった形で緩やかに死を迎えるわけだし)
(そしてALSになっても、胃ろうをつけない人もいるし、呼吸補助機械を使わない人もいるのですよ)

判断は人によって様々だし、それを決められるのは本当は本人だけなのだろう。

そしてカテーテルを入れて命を繋いだところでそれが幸せなのか、否か。
例えばその結果、コトちゃんがおじさんやたーちゃんより長く生きたとして、コトちゃんがおじさんやたーちゃんの死を知るのは幸せなのかとか。


結局、にゅーと悩んだ結果、とりあえず承諾書にサインはして、けれど主治医の先生にうちの事情やおじとたーちゃんの意見をそれぞれ話して「という訳なので、実際にカテーテルを入れるか否かはコトちゃん本人の意見を尊重してください。もし彼女が嫌がるようなら、入れないであげてください」という事を伝えて病院を後にしたのですが。


色んな事を考える、病院からの帰り道でした。

私たちの近くには、いつも幸福も不幸も死も生も容易く転がっているなあ、とか。色々。

朝からたーちゃんの病院で、たーちゃんの介護をしつつ、退院してからの彼女の生活の事を病院の方と話し合い、それが終わってからコトちゃんの病院で、こんな感じで、もう夜に落ちた車の外を眺めていると、ぽわっとした疲労から、思わず「あー何故この家は何もかも私が段取りつけて決めてかなならのんだろお…」とか思わず後ろ向きな事も考えてしまい、けれどそう思った直後に「でもまー二十台のうちにこういう事やっとけば残りの人生は結構楽に進めるんじゃないかしらー」とも思ったり。

とりあえず、この判断があってるかどうかそれはよく解らないけれど、決断したのは私だから、きちんと責任を取りたいです。


車のなか、たーちゃんの病院にもコトちゃんの病院にも送迎してくれたお坊さんが「お疲れ様~。しかし、ほんっともーなんつーか、お前のとこの家の男は頼りにならんな!」と笑うので、私も思わず笑ってしまいました。

そー。だから私は君を選んだのだと思うよ。

私が心から頼りに出来る人を。

で、私自身は『頼り』になるものでは全然無いんだけど、けれどなんていうか、そういうものに成長したいと思うからそうするというか、とりあえず自分のやるべき事をやらないと落ち着かないというか、人の姿勢として美しくないと思うのよね。
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