最後の一枚と真剣な心配

雅楽の先生のところへ、練習に行っていたお坊さんから電話がありました。

「もしもしー？」

と、私がその電話に出てみると聞こえてきたお坊さんの第一声。

『先生ー僕はーいじめにあってますー』

はあ？

『筆箱を開けたらー、ペンの上にー、《れいこくひどう》て平仮名で書かれた広告が入ってましたー。これはーイジメだと思いますー。イジメはいけない事だと思いますー。学級会で議題にして下さい』

……ああ。
そう言えば、お坊さんにムカついた先日(腹痛で苦しんでたのに放置された件)、お坊さんの持ち物の色んなとこに悪口を書いたメモを忍ばせておいたのだが、まだペンケースのなかのメモだけがバレてなかったのだっけ。

『つーかお前、冷酷非道ぐらい漢字で書けよ！平仮名だと馬鹿にされてる感が倍増だわ！』

いやー漢字がとっさに解んなくて(おばか)、でも調べるのがめんどーだったんだよねー。(やる気なし)

ていうか、雅楽の先生はメモに気付いた？(わくわく)

『いや、先生、その時メガネ外してたから見てない』

なんだー。がっかり。

『がっかりじゃねーわ！もしそれ見られたら、俺、先生に真剣に心配されるわ！』

心配されたら面白かったのになー。(他人事)

ともあれ、最後の一枚が見つかってしまい、面白かったような残念なようなです。