なんとなく悟りをひらく破壊僧

お坊さんと買出しに行った時の事。

いつものようにゆるゆるとお喋りしつつ、けれど会話にふと間が空き、私はぽーっと車の外を流れる景色を眺め、けれど車が信号で停車したので視線をお坊さんに戻してみました。

と、そこにはハンドルから手を離して、いや、それは信号待ちだから良いんだけど、手を離して何やってたかって。

目を静かに瞑って合掌してるお坊さんの姿があって。

───!!??
わっつ!?
なにっなにごと!?なんでいきなり合掌とかの事態!?

と驚きふためき訊ねる私。

「いや、今悟りがひらけたねん」

は？悟り？それは一体どういった？

「いや、それは一口に説明するのは難しいんだけど、なんかなんとなく、真理が見えたというか」
と、したり顔で説明するお坊さん。

それが本気なのか冗談なのかよく解らないのですが、そうですか、なんとなく悟りですか。

私はまた道端に死体でも転がってたか(そんなはずない)、もしくはお坊さん自身が今から何かやる気なのかと思いました。
いや何が何かって、私にもよく解らんですが。