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小説や徒然やALSや。
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だんだんと病気が進行するにつれ、たーちゃんが不機嫌になったり情緒不安定になったりする事もままあって。

というかそんなの、治らない病に向かいあった時の人間の、多分普通の、当たり前の反応で、たーちゃんはむしろそういう事を表面に出さない強い強い人だと思うのですが。

しかしそういうイライラをぶつけられると、私もどうしていいか解らずおろおろする事もしばしば。
たーちゃんがそういった負の感情をぶつける相手が私しか無い事も、そうやってぶつけるのは彼女の信頼とか愛情の裏返しだという事も解ってんだけど。

そしてもっと言うなら、体の介助やケアは勿論だけど、そういう心の変化も病気も全部受け止めて受け入れてこその、『介護』なんだし『介護者』なんだ、(じゃなければ真実の意味で介護とは言えない)という事も十二分に解ってんだけど。

と、そんな気持ちで彼女を受け入れられる事もあれば、反対に、たーちゃんのイライラに反応して、自分も大人げなくイライラしてしまう事もあって。(ははー)

この間もそんな夜、呼吸補助器具をつけている時、たーちゃんがぷりぷりしてるので私もついぷりぷりしてしまい、イヤーな雰囲気でたーちゃんの部屋を出るとすぐ、小さな明かりが灯る廊下に無言で体操座りしているお坊さん。ちょこんと。

超びっくりしました。
そこにあると思ってないものが突如現れると、人間てびっくりするもんですね(しかも夜だし)。

そしてたーちゃんと私のささくれだったやりとりを、こそっと聞いていたらしいお坊さん。

「あのなー羊ママも悪くない、羊も悪くない、だからイライラされた時はとりあえずそこは笑っといて、後で俺の腕噛んでいーから」と、体操座りしたまま暗闇のなかに「さあ」とにょきりと差し出すその腕。
顔を顰めて、さも「噛んでも我慢しますよー」というように。

思わず笑っちゃいました。はっはっは。笑って掴むその腕。

というわけで、お坊さんの腕を噛んでいいらしいので、イライラも我慢しよう。

とは思うんだけど、なかなか。理想と現実はいつも若干遠いです。

でも理想は解ってんだから、なるべく自分をコントロールしてそこに近づきたいもの。

それにストレスが溜まるのなら、溜まらない方法を考えれば良いのだし、一番ストレスが溜まっているのは誰よりたーちゃんなんだし、そして私にはその腕があるしね。噛む事も掴む事も許されているその腕が。

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